にゃんごろげ様のにっき。その2 好敵手の施し
我はにゃんごろげである。
名前は最近ついた。にゃんごろげだ。
我は最近、不機嫌である。
ここ1ヶ月、同じカリカリだからだ。
アイツがいつも「しごと」を頑張って疲れて帰るからあまり文句が言えぬがな。
今日も今日とてアイツが「しごと」で遅くなるようだ。我も我とてお布団でぬくぬく。
ん?玄関で音がする。アイツが帰ってきたのかな!?
....それにしては、そそっかしいというか、鈍臭い音がするぞ?
この鈍臭い音は...
「久しぶりーにゃんごろげ!」
あ!やっぱり我の好敵手(ライバル)!
コイツはお布団や、我の特等席のアイツの腕を奪う嫌な奴だ。
こいつがいる時は我は居場所がなくなる。
にっくき奴だ。
「猫缶買ってきたよーにゃんごろげ!」
前言撤回だ。嫌な奴では無い。
わ、我が認めた好敵手だ。
しかし、好敵手の施しを受けるわけには....
「まぐろのトロトロ猫缶だよー」
こ、今回だけは施しを受けてやろう....!!
今回だけだからな!わかったか!
「お腹空いてたんだねー。買っててよかった」
言いながら我の頭を撫でてくる。
さすが我の好敵手.....手慣れておる....
「よし、ごめんねにゃんごろげ、ご飯作ってくる」
そう行ってキッチンに向かった。
とんとんとん。じゅーじゅー。
高くて見えないけど色んな音が聞こえてきて不思議だ。人間のご飯はこんなに手間がかかるのか。我、猫で良かった!!
「疲れた....アイツ帰ってくるまで仮眠....」
この好敵手はアイツの為にご飯を作って
疲れて寝てしまったようだ。
ふっふっふっ。猫缶の礼だ。懐に入ってやろう。
我の施しだ、甘んじて受けるがいい!
うけ、るがいい....
むにゃむにゃ....
「ただいまー....疲れたぁ....って、あ。こいつら、同じ寝相で寝てやがる。仲いいなぁ。写メっとこ」