にゃんごろげ様のにっき。その4 お風呂大戦争

はにゃんごろげである。
誰が何と言おうとにゃんごろげだ。

変な名前と思わないでもらいたい!

 

うむ。今日も今日とてグルーミング。
これも我の日課の一つ。ただペロペロしてるだけではないぞ!
猫たるもの、毛並みをきれいに清潔に!
そのためのグルーミングだ。


「くっさ!!!!」


ん?誰だ!我のことを臭いと言ったのは!!


「にゃんごろげ、またカリカリ食べた直後にグルーミングしてるでしょー!」


む。好敵手だ。
きさま、いい度胸だな!!
さんざん撫で撫でで誤魔化されて出来ていなかった決闘の時がやってきたようだ…
ふっふっふー!もちろん!我が勝つに決まってるけどねー!
…って、あれええ?我の体が宙に浮いてるぞー!?
なんで好敵手の顔がこんなに近いのだ??

 

よく見ると、好敵手に脇から抱っこされていた。
きっと我…体がミョーーーンと長くなっているんだろうな。
ああ…恥ずかしい…!!


「よし、にゃんごろげ。お風呂に入ろう!」


ん?
んん?
えええええええ!

 

おふろって、たしか変な台風のことか?
あったかい雨みたいなのが、ザー!っと降って、あわあわでわしゃわしゃされて、また雨がザーってして、そのあとものすごい風に吹かれる奴か?
昔、猫集会で聞いたことがある…拾われたら『おふろ』に気をつけろ、って…

やだぞ!我は雨でさえ怖いのだ!!風も嫌いなのだ…嫌なのだ!


「嫌がっても駄目だよー、あんたよくお散歩に行くし…御免だけど入ってもらうね」


むぅ…南無三…


そのあと、雨は降ってこなかった。その代わり、体があったかくてホカホカする。
好敵手は我をあわあわでわしゃわしゃしてる。
これは…ほんとに『おふろ』なのか…!?


「えっと、水圧は弱く、上から掛けずに皮膚に当てるような感じで…顔は濡らさない…」


お水はちょっと怖いけど、ちょっと気持ちいい。
猫集会の奴らはきっと大げさなのだな。
でも、少し寒くなってきたぞぉぉぉ助けてええええ

と思っていたらふわっふわのタオルが我の体に巻き付いてきた
あったかい…


「にゃんごろげは大きな音嫌いだからドライヤーは無しで…念入りに拭いてあげよう」


好敵手はびしょびしょになったタオルを何回も取り換えて我を拭いてくれた。
すとーぶもつけてくれたからあったかい…まるでおふとんの中みたいだ…ふわぁぁぁ…快適で眠くなってきた…

 


「ただいま…おおお!にゃんごろげ!毛並みがつやつやになったな!!」


ん…おはよう…あ、あいつが帰ってきた!!
そうだろうそうだろう!!我、さらに磨きがかかったでしょ!
ほら!すっかり綺麗になったでしょ!ふっふっふー!

好敵手に好き勝手されるのは気に入らないけど、もしかしたら好敵手は魔法使いかもしれない…


「また入ろうね、にゃんごろげー!」


えっと…我は…たまにでいいかなぁ…