にゃんごろげ様のにっき。その3 ひとりぼっちじゃない
我はにゃんごろげである。
今日は天気が良くてお天道様も出ていてポカポカだ。
なのにこいつらときたら....お昼をすぎた今もお布団でロールケーキになっているのだ。我のご飯はどうなっている!!
こら!いつまで寝てるんだ!
得意の猫パンチ、肉球ふみふみでアイツの顔を攻撃してみた。
「のぉぉぉぉん....」
なんだ、その情けない鳴き声は。我でも出したことがないぞ。
そう思ったらアイツではなく好敵手が目が覚めた。
「あーにゃんごろげー甘えに来たのー?へへへー」
違うのだ。我はごはんが欲しいのだ。
決して甘えに来た訳では無い!
無い....のだ....
ああ撫で撫でされると条件反射で甘えてしまうではないか....!!
「あ、ご飯だね!ごめんごめん!」
あぁ....撫で撫でが....
んむ?これは!!!モンプチのトロトロご飯!!!ご馳走ではないか!!
これに応えぬは猫の恥....では好意に応えてやろうではないか!
好敵手が居る時だけは豪華なごはんが貰えると最近知ったのだ。
アイツはごはんのセンスがないな!ふん!
カリカリだけでは我の腹は満たされないぞ!
今日は仕方がないから好敵手の腕の中に入って甘えてやることにしよう。
「お腹いっぱいかな?にゃんごろげ」
「んー....アイツに野生はないのか....」
野生....我は元々は野良で、外で生まれて外で生きてきたんだぞ!
野生の塊である!アイツが我を家に招き入れたからだ!
「どうでもいいよねー、3人でぬくぬくしようね、にゃんごろげ」
よく分かっておるではないか、流石我の認めた好敵手....お布団でぬくぬく....
我もロールケーキの一員になった。
そうして次に目が覚めた時。
アイツもいない、好敵手もいない。
あったかかったお布団も冷たくなってしまっていた。
また、我一人....野良生活では当たり前だった一人ぼっちがここに来てからいつしか「寂しい」と思うようになった。
今日の窓から見えるお月様は半分。
どこかの猫も、こうやってお月様を見て哲学をしているとアイツから聞いた。
考える事は皆同じなのだな。
一人ぼっちだけど、何時でもアイツらが帰って来てすぐ寝れるようにお布団を暖めておくとしよう。
「ただいまー!にゃんごろげー!」
「しーっ!」
「何さ!私はただいまのハグをだな....」
「見てみな?にゃんごろげがロールケーキになってる」
「か、可愛い....お布団暖めてくれてたのかな!?写真撮っとこ」
また目が覚めた。今度はアイツと好敵手に包まれてあったかい....
呑気に寝息を立てている....
我は一人ぼっちじゃない。コイツらは、「しごと」や「おでかけ」をしても必ず帰ってくるんだね。
我もそのまま眠りに落ちた。
明日は3人でまた遊ぶんだ....おやすみなさい。