にゃんごろげ様のにっき。
我はにゃんごろげである。
名前は最近付いた。
それまではただの猫だったが、今は立派な名前がある。にゃんごろげだ。
トラ猫だけど毛並みは自慢なんだ。
首元もふわふわでそんじょそこらのトラ猫とは比べないでほしい。
今日はお留守番。お家に我一人。
この時だけはベッドは我のもの!
ちょっとだけ寂しいけどな!
でも、お布団からお天道様の匂いと、アイツの匂いがするんだ。その中でぬくぬく。これが我の日課。
「ただいまぁ」
あ、今日もコイツが「しごと」から帰ってきた。
いつも我にご飯を差し出す良い奴。
なのに今日は何だか元気がない。
カリカリじゃなくて、たまには缶詰が欲しいって我が訴えると
「カリカリ食えやァァァ」と言い返してくる。生意気なヤツめ。
仕方ない。我慢してやろう。
文句言いながらもこいつは水も新品に変えてくれて、毎日忘れずにご飯をくれる。我はこいつが好きだ。
「あーもー上司が腹立つよーにゃんごろげえええええ」
とベッドの上でコイツが喚き出した。
ここは我の出番だな。
我はコイツの腕の中に入る。
今日は仕方が無いから特別に撫でていいぞ。
「お前、慰めてくれてんのか、ありがとうな」
そう言ってコイツは我の頭を撫でてくる。そうだ。撫でて撫でて癒されるがいい。我がアイツに出来るのはこれぐらいしかないからね。
「ありがとうな、にゃんごろげ」
そう言ってコイツはすやすやと眠り出した。人間は複雑で、単純なものだ。
「しごと」っていうものは我は知らないけどコイツはコイツで色々抱え込んでるのだな。
そろそろ抜け出さないと
腕が重くて潰れてしまう。我は抱き枕じゃないぞ!
そいっ!自慢の滑らかな体を活かしてそのまま窓に飛びついた。今日は窓が空いてる。
我ははここから見るお月様が大好きだ。
まん丸だったり、細くなったり、いろんな形になって楽しいからだ。我の目にそっくり!
まん丸を見てると何だか眠くなってきた...
さて、コイツも寝たし、我も寝ようかなぁ...おやすみなさい...