どうしてこうなった

幽霊→住み着いてる地縛霊。悠太を怖がらせて追い出そうとするが....

悠太→大学生。大学から近いという理由でワケあり物件であるアパートに住む。ネジが2〜3本飛んでいる

雅士→悠太の幼馴染。普通の人。

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幽霊 ♀
悠太 不問
雅士 ♂

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悠太「ふぁーーー!荷解きも終わったし、あとは家具を揃えるだけかー。だけっつっても先が思いやられるぜ....」

雅士「まあまあ、望んでた新生活じゃん?ゆっくり揃えてって悠々自適に過ごせよ」

悠太「そんな楽なもんかねぇ学生生活....」

雅士「無駄遣いには気をつけろよー?んじゃ、俺はバイトだから退散するわ」

悠太「さんきゅな!」

雅士「困ったらすぐ言えよ?」

悠太「わかった」

雅士「んじゃ」



悠太「ふー、新生活かぁ....」

幽霊「ぅぅ....恨めしや....」

悠太「ん?え?」

幽霊「出ていけ....呪い殺してやる....」

悠太「雅士イイイイイイイイイイイ!!!!」


雅士「んだよ玄関から出て5歩も歩いてないぞ」

悠太「困ったら呼べって言ったじゃん!」

雅士「いや....早すぎるだろうが。んで?なんだ?」

幽霊「私の部屋だ....出ていけ....!!」

雅士「わわわわわわわっ!?幽霊!?無理無理無理無理!!!」

幽霊「ふふふ....怖いだろう?恐ろしいだろう?さぁ早く....」

悠太「な!?雅士!この人めちゃくちゃ美人じゃね!?」

幽霊「は?」

雅士「え?」

悠太「俺こんな美人さんと同居とか....幸せじゃん!!やべぇ薔薇色の生活!!」

雅士「ちょっと待て」

悠太「こんなマンガみてぇな展開あるんだなー!!生きててよかった....神様ありがとう」

幽霊「ちょ」

雅士「マンガみてぇなのはお前の頭だよ!」

悠太「いでっ」

雅士「俺幽霊とか無理なのにぶっ飛んじまっただろうが!!ほら!幽霊さんぽかんってしてるだろ!!!」

幽霊「ほ、ほえ....」

悠太「え?幽霊なの?」

幽霊「あの、ほら、恨めしやって言ったし、足....ほら....」

悠太「ホントだ透けてるー。へーこれが幽霊なんだ」

雅士「感心してる場合か!!!お前、この流れは地縛霊に呪われて死ぬんだぞ!?祟られるぞ!?」

悠太「そうなの?」

雅士「アホなの!?ほら、テレビから出てきたり家入っただけで呪い殺されたり!!!」

悠太「テレビの見すぎじゃねぇの?」

雅士「馬鹿なの!?この幽霊さんの事なんて思ってるの!?」

悠太「んー?ホログラム?」

雅士「なんでこんなアパートの一室に最先端科学がやって来るんだよ!!」

幽霊「....そろそろ喋っていい?」

悠太「どぞどぞ!!!座布団はまだ無いけど!」

幽霊「幽霊だから足疲れないし....ていうか足ないし....」

悠太「あ、ごめんごめん、お茶飲む?」

幽霊「幽霊だから飲食とかいらないし....ていうかもの触れないし」

悠太「すごい本物っぽいね!」

幽霊「本物だよ!!!」

雅士「幽霊に怒られてるってなんなんだよ」

幽霊「こっちだってびっくりよ....アンタ達が初めてよ...私にびっくりしないの」

雅士「いや俺は心臓止まるぐらいビビったし幽霊さんと意思疎通出来てることに未だ驚きを隠せないよ」

悠太「俺霊感あったのかー。幽霊なんて初めて見たけど」

幽霊「いや....その霊感っていうのは全部ガセよ」

悠太「へー?幽霊さんってトイレとか行くの?」

雅士「話聞く気ねぇなお前」

悠太「いやー気になって」

幽霊「アタシに対してセクハラとはいい度胸ね....じゃなくて!!!アンタ達生きてる人間の霊感だの霊視だの、そんなのは嘘っぱちなのよ」

雅士「マジで!?」

幽霊「あんたまでこの状況に慣れてきたのね....まぁいいわ。生きてる人間が私達幽霊を見れるのは、私達次第なのよ。私達が姿を現すか、見られないように隠れてるか。それだけよ。それを『俺霊感あるんだよねー』とか言ってのけるにわかオカルトマニアはいっぺん死ぬといいわ本当に」


雅士「ゆ、幽霊さん、最後はただの愚痴じゃあ....」

幽霊「ゴホン。まぁそういうわけよ。」

悠太「ふーん。で、俺はどうすればいいの?引っ越す気ないよ?幽子さん」

雅士「幽子さん!?」

悠太「呼びにくいもん」

幽霊「本当に呑気ね....アンタ」

雅士「ホントこいつ昔から勉強はできるのにそういうとこアホなんです許してやってくださいこう見えて良い奴なんですほんとに助けてくださいどうか命だけは」

幽霊「いや、殺す気は無いわよ?」

雅士「え?」

幽霊「アタシ悪霊じゃないし。成仏の仕方がわかんなくてこうやってここに居座ってんの」

雅士「そんなゆるい世界なの!?」

悠太「幽子さん」

幽霊「何よ」

雅士「この幽霊さん....フランクすぎて怖く無くなってきた」

悠太「幽子さんさえ良ければこのまま一緒に住もうよ」

雅士「何言ってんだお前」

悠太「だってよく見てみ?超絶美人だぜ?一昨日の合コンの女よりずっとずっと美人だぜ?」

雅士「んーそりゃあたしかに....じゃねえよ!!!なんだよ幽霊と同居って!!!」

幽霊「アタシはいいわよ、最初邪魔で追い出そうと思ったけど、アンタ達面白そうだもの」

悠太「マジで?やったー!」

雅士「アンタ達!?なんで俺も入ってるの!?」

幽霊「コント見てるみたい」

雅士「幽霊にコントって言われたよ....生きていけない....」

幽霊「死んでみる?」

雅士「嫌だよ!」

幽霊「お試し期間とかあるから、いっぺんやってみれば?」

雅士「それただの臨死体験じゃん!!怖いよクーリングオフ使う前にお断りだよ!!」

悠太「Amw〇yみたいだな!」

雅士「それ以上言うな、消されるぞ」

幽霊「アンタ達本当に面白いわね、あーこれから楽しみだわ」

悠太「一緒にお風呂とか....ぐふふ」

雅士「お前本気で言ってんのか」

幽霊「お風呂は覗かないで!!」

雅士「風呂は入るんだな!?もう何が何だかわかんねぇよ!!」

悠太「あ!」

雅士「なんだよ、まだなんかあんのか?」

悠太「雅士、バイト遅刻じゃね?」

雅士「あっ....」

悠太「ドンマイ★」

雅士「なんで....こんなので遅刻しなきゃいけねぇんだよぉぉぉぉぉぉ」

幽霊「うふふ」



おしまい。